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Projects by MODAL

例えば散歩中にふと見つける小さなお土産品、例えば至るところで聞かれる街の音(ノイズ)。幕末NAGASAKI
美術館やコンサートホールにはない、生活に密着した「もの」や「こと」。
そういうものの美しさ、楽しさに気づき、目を向けることが、街と人の関係を活き活きとさせること=まだどこにも存在していない価値観の創造につながるのではと考えました。

ポストカード集"幕末NAGASAKI"の出版に続いて、現在"Soundscape NAGASAKI"と銘打った企画が進行中です。
さらに、まだアイデア段階ですが、いくつかのプロジェクトの構想を現実化に向けて画策中。

 

Soundscape NAGASAKI

Soundscape NAGASAKI

・「サウンドスケープ」とは?

「サウンドスケープ」とは、その名の通り「音の風景」。
人間が生活する環境、文化において「音」が果たす役割を考えようとする概念です。
その提唱者であるカナダの作曲家R・マリー・シェーファーは1973年、「ワールド・サウンドスケープ・プロジェクト」のメンバーと共に、ヴァンクーバーの港や市街で採集された潮騒、遠い鐘の音、汽笛等の「フィールド・レコーディング」素材を編集して作曲を行い、"The Vancouver Soundscape 1973"として発表しました。
こちらでその音源の一部サンプルを聴くことができます。
SOUNDSCAPE VANCOUVER - Simon Fraser University


・「サウンドスケープ・ナガサキ」

他にはない特別な歴史・文化を持つ長崎。
風景同様、もちろんこの街に独自のサウンドスケープがあることは言うまでもありません。
そんな様々な場所で聞かれる長崎固有の音をレコーディングし、サウンドスケープの視点から再発見、考察しつつ作品化していこうという試みです。
作品はオムニバス形式にまとめてCD、あるいはダウンロードの形でリリース予定です。
長崎在住、出身等、長崎にゆかりの深い音楽家、サウンド・アーティストの方々の参加を多様なジャンルから募っていきたいと思っています。

 

・フィードバックする「サウンドスケープ」

こうして編集され、作品化された「音」を今度は各々の場所へと送り返すための一種の青写真としての「サウンドスケープ・デザイン」を行うことにより、このプロジェクトは完結すると考えています。
具体的には発見、採集、編集されたサウンドスケープを再考察し、環境に必然的な音を導き出して実際の風景(音景)にフィードバックさせ、そこにいる人々に及ぼす効果を把握し直すこと。
そうすることにより、目に見える風景を超え、記憶やイメージの世界さえも含めた「環境」全体をとらえて考えていける場を作っていければと思います。

 

・長崎の代表的なサウンドスケープ

私達が採集した長崎のサウンドスケープのうち、いくつかの代表的なものをサウンドファイルで聴けるようにしました。

Ohato Harbour

1.長崎港

長崎といえば港、船の汽笛の音は市内のあらゆる場所で聞こえてきます。

大波止の長崎港ターミナル近辺、午後4時前後のサウンドスケープです。

最初の汽笛は五島航路のフェリー、そのしばらく後に聞こえるのが上五島行きの旅客船です。

国際航路の大型客船寄港の際にはさらに雄大な汽笛が鳴り響きます。

波や海風の音に乗って聞こえる汽笛やエンジン音は船によって様々なヴァリエーションがあり、聞いていて飽きません。

(MP3Stereo,1min05sec)


Tram

2.路面電車

路面電車の音は、船の汽笛同様街中いたる所で聞かれる、長崎を特徴付ける音です。

これは松山町停留所から大橋方面に向かうやや旧式の電車の音。

このあたりは線路が一般道路と離れているため、車の音は少なめです。

路面電車の音、特に加速していくモーターの音は力強く、まるでテノールの男声のようです。

線路の隙間を車輪が越えていく際のリズミカルなクリック音もとても音楽的。


Click to PLAY(MP3Stereo,55sec)


3.教会、寺院の鐘

Urakami Cathedral

・浦上天主堂(アンゼラスの鐘)

1895年の着工から30年もの年月をかけて建てられた浦上天主堂。

1925年に取り付けられたフランス製の「アンゼラスの鐘」は、浦上地区のカトリック信者に信仰のシンボルとして親しまれてきました。

しかし1945年原爆で天主堂は倒壊、鐘は鐘楼ごと吹き飛んだものの、奇跡的に破損を免れた状態で瓦礫の中から掘り出されました。

「被爆者たちの精神を奮い立たせ、生活再建の意欲を起こさせるために、この鐘を鳴らそう」と考えた永井隆博士は、3本の丸太を組み合わせた仮鐘楼に鐘をつり上げ、原爆が落とされた年のクリスマスの夜、荒野と化した浦上にこの鐘が鳴り響きました。

その後信者の方々の努力により聖堂は再建されて、アンゼラスの鐘は平和を祈る象徴として今も愛され、鳴り続けています。


Click to PLAY(MP3Stereo,1min55sec)



Kinenzaka

・大浦天主堂と妙行寺の鐘

午後6時、大浦天主堂と隣接する妙行寺の鐘の協演、まさに「東洋と西洋の文化が融合する街」長崎を象徴するサウンドスケープです。

未だキリスト教禁制の時代に建てられた日本最古のキリスト教建築と、その昔イギリス領事館にも利用されていた歴史ある名刹妙行寺。

ここには神社も隣接しており、3つの宗教が共存する「祈りの三角地帯」とも言われています。

最初に天主堂の鐘が鳴り始め、その後両者絶妙に間合いをとりながらお寺の鐘が鳴り始めます。

お互いにソロを取るかのように交代しながら鳴ったかと思えば次には重なりながら鳴ったりと、実に見事なインタープレイです。

この2つの鐘に挟まれた場所にある祈念坂と呼ばれる小径で録音しました。

Click to PLAY(MP3Stereo,2min50sec)




Teramachi

・寺町のお寺の鐘(大音寺と長照寺)

こちらも2つの鐘の協演です。

由緒あるお寺がずらりと14も並ぶ「寺町」、これだけ寺院が密集している地域はここ以外では京都ぐらいではないでしょうか。

これは午後6時、最初に左から鳴る低く響く方が長照寺(写真上)、右から聞こえる高めの乾いた音が大音寺(写真下)の鐘です。

山肌にお寺が並ぶ地形のためか、街の音と鐘の音が反響して混在し、独特な音場を作り出しています。

この2つのお寺のちょうど真ん中にある晧台寺の境内での録音です。

交通量の多いところなので車の音で多少聞きづらいですが、これもサウンドスケープの一部ということでご了承ください。

Click to PLAY(MP3Stereo,4min35sec)





Sanno Shrine

4.山王神社の被爆クスノキ

原爆爆心地に近く、爆風で片方の柱が吹き飛んでしまった「片足鳥居」で有名な山王神社。

原爆被災により枯れ木同然になったものの、強い生命力で再び枝を張り葉を茂らせた2本のクスノキの大樹が境内を覆っています。

休日には地域の人々がこの樹の下に集い、コミュニティを形成する広場として親しまれ、大事にされています。

葉のそよぐ音が何とも優しく、風が吹くたびにさざ波のように鳥や子供の遊ぶ声を包み込む様は、まるでクスノキがその蘇った生命力で彼らを守ってくれているようです。

長崎・サウンドデザイン塾による『ながさき・いい音の風景20選』に選定され、さらに環境省の「残したい『日本の音風景百選』」にも長崎から唯一選ばれています。

このサイトで映像を見ることができます。(被爆直後のクスノキの映像もあり)
科学映像館 日本の音風景100選から 佐賀・長崎編3話(25:42~)

(MP3Stereo,1min20sec)


・あなたの「サウンドスケープ・ナガサキ」教えて下さい

長い歴史、特有な文化、独特な地形、そして身近に自然が残されている街長崎。
まだまだ私達が知らない素晴らしい音風景があるに違いありません。
長崎在住、かつて住んでいた方、旅行で訪れた方、あなたが知っている、あるいは記憶の中にある長崎のサウンドスケープをぜひ私達に教えてください。
できる限りその現地に赴き、録音してこのサイト等で皆さんにお知らせしたいと思っています。
当ウェブサイト"CONTACT"のフォームからご連絡ください。

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